Agile Japan 2019 長崎サテライト with NaITE に参加してきました
概要
7月27日にCO-DEJIMAで行われたAgile Japan 2019 長崎サテライト with NaITEに参加したときのレポートです。
参加の経緯
サークルの先輩から長崎でAgileについて学べるイベントがあるという情報を手に入れたのが参加のきっかけです。この機会にAgileについて詳しく学び、将来的にはサークルで何か開発するときにAgileを導入できればいいなぁという思いで参加しました。
内容
受付
受付では名札とAgile新聞をもらいました。
また、開始前にAgileJapanのステッカーも貰いました。
オープニングセッション・アイスブレイクセッション
オープニングセッションではこのイベントでのルール説明、アイスブレイクセッションでは自己紹介とこのイベントに参加した動機を同じテーブルになった方と共有しました。
Agile Japan 2019 基調講演(録画上映)
見聞きした内容は公開しないでくださいと言われているので詳細なことは書けませんが、Agileの導入事例、Agileにとってどんな考え方が必要かというお話でした。
Agile Japan 2019 参加レポート
テーマ:アジャイルでつなぐビジネスとIT
例) Windowsがパッケージ売りからアップデート型になったようにビジネスにもAgileの考え方を導入していく
初参加が7~8割
モブプログラミングもあった
グラフィックレコード(セッション内容を絵にして残していく)をしていた
なぜ始まらない?アジャイル開発 アジャイルコーチと考える組織改革
アジャイルコーチを依頼した側と依頼された側でどうだったかというお話
参加者からのQ&Aで進行していた。
Q&Aでは
- コーチ料金
- スクラムのイベントの日
- メンバ間の認識の調節
- 他チームへの展開の方法
などが上がっていた
アジャイル開発におけるITベンダーメーカーの品質保証・検査の取り組み
メーカ3社のアジャイルでの品質保証へのルール作りの紹介をしていた
- ユーザー目線品質基準での優先度付け
- プロセスの軽量化
- 積極的なツールの活用
Fun Done Learn
Fun Done Learn(楽しかったこと、やったこと、学んだことを共有していくこと) の紹介&チームを作ってやってみる
感想
大企業の事例発表などが多かった
プロジェクトとしてではなく会社全体へAgileを浸透させようとしていた
なお資料は以下にあります
あとでAgile Japan 2019の会場で配られていた缶バッチも貰いました。(上記のスライド参照)
テクニカルセッション
始めよう、ニコカレ!
「アジャイルで仕事を可視化するように個人の気持ちも可視化してみよう」ということで気持ちを可視化するツール”ニコカレ”の開発についてのお話でした。個人的にはdigコマンドで自己紹介しているのが面白かったです。自分も独自ドメインを持ったらやってみたいなぁ
カンバンでテスト活動アジャイル化!
カンバンシステムを使ってテストチーム周りのプロセスをアジャイル化してみたというお話でした。
”ただそのままカンバンにタスクを貼るだけでは数が多くなり悲惨なことになった。
そこでタスクに優先順位をつけてかつ分量をサイズ感で見積もった。そして、作業段階毎にサイズによる制限をかけるようにした。 ”
- 導入効果
- 状況の可視化で部署の満足感が上がった
- チームの能力が見えるようになった
- 高負荷なスケジュールが減った
- 問題を早期発見できるようになった
- 今後の課題
- 目標値のレベルを上げる
- 制限の最適化を継続
- 定期的なふりかえりを継続
- 各課員が自動できるまで進化
- 他部署へ当仕組みを提案
参考書籍:カンバンソフトウェア開発の変革
ライトニングトークス
「プロダクト開発での2つの難しさ」、「bocciの開発」、「PSP/Scrumに向けて - Agileな開発での個人プロセスとは? -」という3つのLTを聞きました。
特に印象に残ったのは
- bocciの開発
アジャイル開発を導入してみたがそれぞれが何をやっているのかどう変更なのかが具体的に見えていなかった。
コミュニケーションが取れていなかった
チームで勝たないといけないと考える
チームに蓄積されるコミュニケーションが大切
アジャイルの本質はコミュニケーションだ
ということでした。
Agile Japan 2019 長崎サテライト 招待招待講演
登壇者: 和田 憲明 氏
タイトル
アジャイルの現在過去未来。そしてアジャイルを進化させる「ムダ取り」とは。
アジャイルの現在
伝統的な企業、ウォーターフォールで開発してきた企業がどうアジャイルを導入するか
会社の危機感、広めたいという気持ちが合わされば伝統的な会社でもアジャイルを導入することができるアジャイルソフトウェア開発宣言
知らない、誤解がある→IPAではわかりやすく、日本向けに解説
技術は日々進歩している
ウォーターフォールのほうが学びやすい
まずは開発技術の基礎を学ぶ
やり方ではなく開発技術の本質を学ぶ
”無駄=価値を生まない” を見つける
書籍「トヨタ生産方式」
動くと働くの違い例)
「アンドン」による異常の見える化- 現場に混乱を作り出す
- 異常(改善する対象)を検出する
- その異常を改善する
だから工場の人は現場に混乱を作り出すために「コンベアの速度を少しアップ」する
アンドンが常にあおだと改善点がない
アンドンが黄色にすることで改善点を見つける
チームで改善する(個人を責めない)
焦ってはいけない。普通にやる
→無理は異常を隠す(改善を阻害する)ムラをなくす
粒度をそろえるムラをなくすと
特異なものがよどみ(=流れを妨げる特異なもの) となって目立つようになる
よって改善したくなる複数のラインを一つにまとめる(混流生産)
→変化に対応できる(製造数の変動を吸収)ムダとは~価値につながる考えかた~
ムダの定義
顧客視点が重要例)
鉄板を曲げる(車に近づく)→顧客にとって価値がある
鉄板を運搬する→顧客にとって価値がない
会議→組織にとっては必要だが顧客にとっては価値がない→ムダ(付帯作業)100倍してみる
会議の時間を100倍する→生産性は上がらない→ムダである
付加価値の時間を延ばし、ムダの時間を少なくし、無駄の時間をなくす
ムダを発見してみる
- 7つのムダ
- 作りすぎのムダ
計画より早く生産する、カンバン以上に生産する
例)使われない機能の実装 - 在庫のムダ
素材、部品、仕掛け品、完成品の在庫 - 不良を作るムダ
破棄、手直しが必要なもの - 加工のムダ
行程の進みや加工品の精度に寄与しない加工 - 運搬のムダ
必要最小限以上の仮置き、移動、移し替え等 - 動作のムダ
生産活動で付加価値を生まない人の動き
例)深い位置にあるファイルを取り出すのにムダなクリックが多い
→リンク、ショートカットを張る - 手持ちのムダ
仕事量が少ないことにより、手持ちが生じる
- 作りすぎのムダ
ものを情報に置き換えてみる
ムリをとる→ムラをとる→ムダをとる→安定
ギアチェンジ「ムリをとる→ムラをとる→ムダをとる」をし続ける
感想
自分はアジャイルについてITパスポート試験で勉強した程度の知識しかなかったので、知識不足なところがありなかなか理解するのが大変なところもありましたが、「効率のよい開発を追求していこう」という理念は今回のイベント全体を通して学ぶことができました。アジャイルに関する知識が増えたことで将来的にはアジャイル開発に参加してみようという気持ちが高まった良いイベントだったと思います。